ここで細孔分布の縦軸の表現を数学的に解く。
このように、結果はずいぶんと違って見えてくる。数学的には、長さ分布はより小さな細孔径に重みがかかり、体積分布は大きな細孔径に重みがかかり、分布が変化する。古くからの慣習では、ガス吸着法は面積分布で表現し、水銀ポロシメータは体積分布で表現している例が良く見られる。これは両者の測定法が面積を測定するものと体積を測定するものの違いからきていると考えられる。現在の市販の装置は、解析ソフトウェアーが付属し、これらの分布表現を選択できるようになっているので、アプリケーションに即した利用をすればよい。体積分布は吸着剤開発や吸着プロセスにおいて、どのくらいの体積が吸着できるかを評価するのに適している。また面積分布は触媒など反応プロセスにおいて、反応するサイトの面積の比較において有効である。長さ分布は細孔の発達度を見るのに適している。