図-17回折像の強度分布
図-17に示すようなスリットを考えた湯合、この時得られた回折光の強度を表す式としては、
(3-4)式
J1:第1種ベッセル関数の第一項
θ:回折角 D:スリット径
今までの展開が、ある開口部に光を当てるという形で回折を論じてきましたが、我々レーザー回折式粒子径分布測定装置のメーカーにとっては、幸運なことに開口部の穴ではなく粒子に光を当てても、まったく同一の現象が見られます。(さらにMieの理論は1個の球をべースにしていますが、材質と直径がすべて等しく、かつ不規則に分布し、間隔が波長に比べて充分に大きいときには、複数個の球にも適用できます。計測器メーカにとって都合が良いことに、散乱光量は球の数に比例して多くなります。
ここで今後の話を続けていく上で、粒子に光を当てるということに話を切り替えます。
但し、この粒子の導入により、今までと多少異なった要素が入ってきます。それがこれから説明していく屈折などの光現象の要素です。
説明をことさら難しくするつもりではありませんが、粒子に光を当てて得られた回折光の強度分布を表す式は、
(3-5)式
となります。
ここで、I0(θ,α)が回折光強度を表し、I1(θ)は反射、I2(θ)が屈折の光となります。つまり、(3-4)式は、粒子のように屈折と反射を考える必要の無い湯合の解となります。
(3-5)式を正式に表すと、
(3-6)式
となります。スリットの揚合と同じに粒子の仮定として、
(1) 粒子を球体とする
(2) 粒子は不透明である(不透明とは光を100%吸収するか反射する場合です。実用上は"ほぼ"不透明でもかまいません。)
(3) 粒子径Dが波長λに比べて十分大きい D>>λ
※(2)、(3)はいずれかが成立すればOKです。
とすると、先に示した(3-4)式と同じ式となります。
回折の話はここでいったん打ち切り、他の光の特性について、非常に簡単な説明を加えていきます。