です。この値は真空中の伝播速度です。ある物質の中を光が進む速度をVとすると
このmが屈折率といいます。このVは賢明な読者はもうおわかりと思いますが、光の波長で変化します。厳密な屈折率をいう場合は物質と波長を規定する必要があります。
だいたいの物質の屈折率は1.3~1.8の間に存在するそうです。ちなみにダイヤモンドは2.4!!ちょっと飛び抜けた数値です。
この屈折と密接に関係しているのが吸収です。光を吸収してしまうような物質の場合、屈折率は次のように表されます。
m′:真の屈折率
i:虚数
a :物質の吸収率Aに関する係数
複数屈折率は
とも表せます。
但し、μ:誘磁率、ε:誘電率、σ:電気伝導、ω:角周波数とします。
もし非吸収物質であれば、虚数項は0となります。虚数項は誘磁率・電気伝導率が大きいほど、また誘電率が小さいほど大きくなります。このことから金属は大きな屈折率虚数項を持つのに対し、他の物質では極めて低い値しか示さないことがわかります。一般に金属以外では、この虚数項を正確に実測するのが困難で、ほとんどの物質について未知です。
吸収の話は次項も参照してください。
左図のようなある界面において、角度θをもって光が入射し、屈折により、その角度がθ’に変化した時、屈折率mについて次の関係が成り立ちます。
これがスネルの法則と呼ばれるものです。
もし物質Aが真空に極めて近い空気とすると、屈折率m =1となり、角度比が物質Bの屈折率となります。
図-19は、実は入射光が100%AからBに進むモデルです。この場合、物質Bは見えません。どんな物質でも、例えば非常にきれいに磨かれたガラスでも、そこにそのガラスが存在することがわかります。それは、その界面で必ずある程度の光が図-20のように反射しているから、その反射光から存在を確認できます。
反射光は界面に対して引かれた法線に対して、入射角と同じ角度で反射されます。今、図-20の物質Bを物質Aより密なものとすると、図-21のようになります。
この物質Bから入射する光の角度を段々大きくして行くと、ある入射角度に達すると屈折率が90°となり、これ以上大きくすることができない角度が出てきます。これが臨界角と呼ばれるもので、この角度を超えると屈折が起こらないで、全部の光が反射されてしまいます。
この反射の問題は、実は光の散乱を使用した計測器にとって大事な問題です。使用するセル内面、レンズ表面に対して入射する散乱光の角度を注意して設計しないと、正確な測定ができないことになります。