1908年、ドイツの物理学者G. Mie(グスタフ=ミー)によってミー散乱理論(粒子へ光を照射した際に生じる散乱現象の数式による解析)が発表され、多くの学者たちによって大型コンピュータを使った光の散乱現象の研究が行われるようになりました。
1950年代に入り、光散乱現象の研究はやがて粒子径測定の研究へとつながります。それまで未知の世界であったミクロン領域の粒子径測定ですが、1960年代に入るとマイクロプロセッサーを搭載したコンピュータ、そしてガスレーザーの出現により、ようやく製品としての粒子径分布測定装置が世に出るに至りました。
その後、さらに進化を経て1970年代後半に「レーザー回折式 マイクロトラック粒子径分布測定装置」が誕生しました。それまでは、原始的で測定時間が長い上に、測定精度が低く、さらには操作の難しい篩分け法や遠心沈降法などの方法で粒子の大きさを評価していましたが、マイクロトラックの誕生により、数μm~200μmの測定範囲をわずか数分という短時間で、さらに再現性と精度の高い測定が可能となりました。当時全く聞き慣れなかった“レーザー回折法”の出現は非常に画期的であり、当時としてはかなり高額な測定装置にも拘わらず多くの業界から注目を集めました。
アンドレアゼンピペットを用いた重力沈降法
粒子の大きさが波長と同程度(大きさが波長の1/10より大きい)の場合の光の散乱現象のこと。入射光の前方および後方に散乱するが前方が強い。さらに、粒子が大きくなるにつれ前方散乱が強くなる。
日本でのマイクロトラックの歴史は小麦粉の測定評価から始まりました。その後の産業構造の変化と技術革新に伴う市場ニーズの移り変わりに対応すべく、マイクロトラックも大きな進化を遂げてまいりました。
販売当初のモデルでは1.9~300μmと狭かった測定範囲は、その後の技術開発により3本の同波長レーザーを光学台に搭載することに成功することで、1μm以下のサブミクロン領域から1mm以上の大粒子までの非常に幅広い測定範囲をカバーしつつ高分解能な評価が可能という他社を寄せ付けない性能を実現しました。そして、現在、マイクロトラックはあらゆる産業分野の研究、製造技術、そして品質管理にて無くてはならない存在となっています。
初号機 マイクロトラック粒度分析計7991STD
マイクロトラック粒子径分布測定装置は、日本の産業界を支える“影の立役者”として活躍してきました。ニュースやTVで脚光を浴びることこそないものの、我々の便利な世界を実現させている産業の発展はマイクロトラックのような材料評価装置の活躍により実現しています。
さまざまな産業分野を横断する粉粒体技術は「産業の地下水」ともいわれています。食品、化粧品、医薬品、電子部品、エネルギー、建築、製紙、衣類など、我々の生活を支える産業におけるモノ作りの基本、その始まりは粉粒体であることがほとんどです。
小麦粉、砂糖、塩、コーヒー等の食品をはじめ、日焼け止めクリームの紫外線防止効果を担う酸化チタンや二酸化亜鉛、セラミックコンデンサーの肝であるチタン酸バリウム、セメントの強度や硬化特性を決めるフライアッシュや二酸化ケイ素、インクジェットプリンターのインク、そして打錠する前の粉砕原薬まで、その粉粒体特性、特に粒子径分布は最終製品の特性を左右する重要なファクターとなっています。
今後、さらなる技術革新により、環境、エネルギーそして医療分野を筆頭に我々の生活はますます便利さを増していくことが期待されています。マイクロトラックは今後もお客様のニーズにお応えし、脇役ながら“キラリ”と光るオンリーワンの技術を磨き続けてまいります。
3本レーザー搭載のマイクロトラックMT3000Ⅱシリーズ
光学系構成図
1976年 10月 | 10月マイクロトラックSTD |
1981年 11月 | マイクロトラック7991SPA |
1984年 9月 | マイクロトラック7995SPA,7995SRA |
1985年 2月 3月 5月 | 大容量試料循環器LVR 大容量試料循環器LVR-AS オンライン粒度分析計 |
1989年 9月 11月 | 小容量試料循環器SVRロボット LVRロボット |
1990年 7月 | 分析室自動化システム(SVRロボット),SVR-SC |
1991年 6月 | マイクロトラック9200FRA |
1992年 3月 | ナノトラックUPA150 |
1993年 3月 4月 | 乾式試料分散機CDS-1 マイクロトラック9210SRA |
1994年 11月 | マイクロトラック9320HRA |
1995年 10月 | 乾式試料分散機E701,大容量試料循環器LVR-AS60ロボット |
1997年 4月 | ナノトラックUPA250 |
1998年 2月 | マイクロトラック9300SRA200,エアロトラックLDSA |
1999年 12月 | ミリトラックJPA |
2000年 1月 | ナノトラックUPA-EX150,UPA-EX250 マイクロトラックMT3000シリーズ |
2002年 9月 | DMSソフトウェア |
2003年 1月 | インライン粒度センサーISRA |
2004年 5月 | オートサンプラーNAS35 |
2006年 7月 | マイクロトラックMT3000IIシリーズ |
2007年 2月 3月 | ナノトラックUPA-UT151,UPA-UT252,湿式オートサンプラーMS30 乾式オートサンプラーTAS24 |
2008年 5月 8月 | 極少量試料循環器USVR 粒子径・ゼータ電位測定装置UPA-UZ152 |
2009年 5月 9月 11月 | 卓上走査型電子顕微鏡SEMTRACmini 粒子径分布・ゼータ電位・個数カウント装置ZetaView CTエアロトラックLDCT-2000A 粒子画像解析ソフトウェアViewtrac |
2010年 2月 | マイクロトラックBlueRaytrac |
2011年 5月 | Nanotrac Waveシリーズ |
2013年 7月 7月 | 粒子径分布測定装置NANO-flex、流動電位測定装置Stabino 画像解析式粒子径分布測定装置 PartAn3D、PartAn Mini 粉体粉塵発生量測定装置DustMon |
2016年 4月 | 粒子径分布・ゼータ電位、分子量測定装置Nanotrac WaveIIシリーズ |
2018年 6月 11月 | 粒子径分布測定装置 AerotracII "粒子径分布・形状"測定装置 Microtrac Sync |