NANOTRACシリーズは、粒子径、ゼータ電位、濃度および分子量に関する情報が得られる非常に柔軟な動的光散乱式測定装置(DLS)です。
Microtracは、粒子径測定のパイオニアであり、30年以上にわたってDLS装置を開発してきました。NANOTRACシリーズの革新的な設計と信頼性の高い技術により、高精度、高確度、短時間での測定が可能となりました。また、画期的な光学プローブを備え、A4サイズの設置スペースであるコンパクトなDLS装置を実現しました。
独自かつ柔軟なプローブ設計により、あらゆる用途のニーズを満たすため、様々な種類の測定セルから選択することができます。
ユニークでフレキシブルなプローブデザインと、NANOTRAC FLEXのLaser Amplified Detectionメソッドの使用により、ユーザーは測定セルとして適切な容器を選択し、あらゆるアプリケーションのニーズを満たすことができます。また、この設計により、幅広い濃度範囲のサンプル、モノモーダルまたはマルチモーダルのサンプルを、粒度分布を事前に知ることなく測定することができます。これは、古典的な光子相関分光法(PCS)の代わりに、周波数パワースペクトル(FPS)法を使用することで可能になりました。
NANOTRAC FLEXの独自のプローブ設計により、1滴のみ『ワンドロップ測定』が可能です。必要なサンプル量は最小限で済みます。また、このプローブは1.5mL Eppendorf Tube®に簡単に収まります。 NANOTRAC FLEXプローブは、様々な種類のサンプル測定の間に、非常に簡単かつ迅速に洗浄することができます。
NANOTRAC FLEXでは、あらゆる容器を測定容器として使用することができ、キュベットセルなどは必要ありません。これにより、プローブをライン中に挿入し、反応中に成長する粒子をモニタリングすることができます。反応の間、分散液は流れているか撹拌されており、この分散液の動きがブラウン運動を不明瞭にしてしまい、通常はDLSの測定ができません。フローガードを使用することで、撹拌中や移送中の液体で測定することができます。フローガードは、プローブの周りに囲いを作り、乱流から測定面を遮断します。これにより、プローブ界面での撹拌運動を減速させつつ、ガード内部へ確実に一定の試料が供給されるようになっています。この設計により、ライン中の懸濁液を代表する粒子径分布が得られます。
STABINO ZETAは、液体を界面に沿って移動させることによって生じる電位差=流動電位を測定する装置です。電気泳動では測定することが困難な粗大粒子(0.3 nm~300 µm)や最大40 Vol%の濃度範囲でサンプルを測定できます。 流動電位、導電率、pH値および温度、これら4つのパラメータを同時に数秒間で連続的に測定します。また、NANOTRAC FLEXと組み合わせることで、粒子径を測定することができます。 さらにSTABINO ZETAには滴定機能が組み込まれており、滴定操作をしながらすべてのパラメータと粒子径を測定できます。例えばpH滴定はよく実施される滴定操作の一つですが、等電点の決定は数分以内に完了します。
汎用性の高さは動的光散乱(DLS)の大きな強みです。そのため、医薬品、コロイド、マイクロエマルション、ポリマー、工業用鉱物、インクなど、研究と産業の両方でさまざまなアプリケーションに適した方法となっています。
医薬品
エマルション
鋼
アプリケーションデータベースに各種資料を掲載しております。
The DIMENSIONS LS software comprises five clearly structured Workspaces for easy method development and operation of the NANOTRAC instrument. Results display and evaluation of multiple analyses are possible in the corresponding workspaces, even during ongoing measurements.
Our instruments are recognized as the benchmark tools for a wide range of application fields in science and research. This is reflected by the extensive citations in scientific publications. Feel free to download and share the articles provided below.
測定原理 | 動的光散乱式 |
計算方法 | 周波数解析法(FFT) |
測定角度 | 180° |
測定範囲 | 0.8 - 6500 nm |
サンプルセル | 外部プローブ (in situ) |
粒子径分布測定専用 | なし |
分子量測定 | あり |
分子量範囲 | <300 Da -> 20 x 10^6 Da |
温度範囲 | +4°C - +90°C |
温度精度 | ± 0.1°C |
インライン測定 | あり |
再現性 (粒子径) | =< 1% |
試料量(粒子径) | 1滴~∞ |
濃度測定 | あり |
サンプル濃度 | 最大40w% (試料に依る) |
使用可能溶媒 | 水、極性・非極性有機溶剤、酸・塩基 |
光源 | 半導体レーザ(クラス1) 波長:780nm、出力:3mW |
湿度 | 90%以下(結露なきこと) |
寸法 (W x H x D) | 180 x 300 x 260 mm |
NANOTRACシリーズは、Yスプリッタを備えた光ファイバのプローブを採用しています。レーザ光は、プローブのサファイアガラス面と分散液との界面におけるナノ粒子に焦点が合わせられています。高屈折率サファイアガラスは、レーザ光の一部を反射して参照光としてディテクタに戻します。また、ナノ粒子から得られた180度方向の散乱光は同じディテクタに戻ります。ナノ粒子からの散乱光は、参照光に比べ微弱な信号となります。 周波数がわずかに異なる2つの波をかさねると、その周波数の差に等しい周期で「うなり」が生じます。 この「うなり」から必要な情報を取り出す手法をヘテロダイン法と呼び、光子相関法(PCS)で一般的に使われているホモダイン法に比べ最大106倍のSN比で検出可能です。 検出された光強度信号を高速フーリエ変換(FFT)すると、線形の周波数パワースペクトルが得られます。これを対数スケールに変え、独自のアルゴリズムで解析しすることで、粒子径分布が求められます。 また、NANOTRACシリーズでは、直接検出方式を採用しており、図のように粒子に直接レーザ光を照射し、後方散乱光を検出する機構であるため、光路長が短く、高濃度での多重散乱の影響を抑え低濃度から高濃度まで安定したデータが得られます。
1. ディテクタ|2. 散乱光&参照光|3. サファイアガラス|4. Yビームスプリッタ|5. 集光レンズ|6. サンプル|7. 光ファイバの内のレーザビーム|8. 半導体レーザ
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