機能性材料の比表面積・細孔分布を誰でも簡単に高精度で、短時間に評価
BELSORP MINI Xは、比表面積、細孔分布、細孔容量などを高精度に短時間で評価することが可能です。4本の測定ポートと飽和蒸気圧専用のポートに専用の圧力センサを搭載しているため、完全に独立した同時測定が可能です。
測定ソフトウェアは、測定の実行、測定前準備の手順をステップ毎にガイドしてくれます。また、測定進捗状況の表示、測定結果のEメール送信など、ユーザーの労働生産性を向上させます。お客様が求める処理検体数に応じて、1台のパソコンで最大5台の装置の同時制御を実現しました。さらに、新しい解析ソフトウェア(BELMasterTM )により、これまで以上に幅広い材料の構造評価が可能になりました。
独自の技術により、高精度な吸着等温線測定を実現することで、BET比表面積:0.01 m2 /g ~ (N2 ) 、細孔分布:0.7~500 nm(オプション: 0.35~500 nm(分子プローブ法による))の評価が可能です。
最大4検体同時測定 最大4検体の試料を同時に短時間で測定することが可能です。
この装置は、R&D向けの高精度測定モードとハイスループットな多検体測定モードおよび品質管理向けの迅速BET測定モードを備えています。お客様のニーズに合わせてフレキシブルに使用することができます。
測定ソフトウェアのシンプルモードにより、ユーザーが簡単に測定条件を設定できます。シンプルモードは、最低限の条件(試料情報、前処理条件、測定範囲など)を入力するだけで測定が可能で、初めて測定するユーザーに最適です。また、熟練したユーザーには、プロフェッショナルモードを準備しており、詳細な測定条件の設定が可能であるため、ユーザー独自の測定条件を作成し、詳細な評価ができます。なお、各モードでは、測定の実行、測定前準備の手順をステップ毎にソフトウェアがサポートしてくれるため、簡単な操作による測定が可能です。
世界最高の再現性を実現;フリースペース連続測定方式 (AFSMTM ) 液体窒素などの冷媒を利用した吸着等温線測定において、冷媒の液面を一定にし、フリースペース変化を極力抑えた制御方式が一般的に用いられてきました。この方法では、室温や気圧変動のから生じる液体窒素の液面の変化によるフリースペースの変化や、酸素などの冷媒への溶解による温度変化から生じるフリースペースの変化による吸着量の誤差に十分対応することができず、試料量が少ない場合の測定再現性に問題がありました。そこで、フリースペース変化を常に実測するフリースぺース連続測定方式(Advanced Free Space Measurement, AFSMTM )を開発し、優れた測定精度を保証することが可能となりました。
ヘリウムガス不要な吸着等温線測定 (AFSMTM 2) ヘリウムガスを使用せずにフリースペースを決定し、吸着等温線測定が可能な画期的な方法です。測定用吸着ガスを用いて、予め試料管ならびにリファレンス管のブランクのフリースペースを測定しておきます。同じ測定条件であれば、再度フリースペース測定の必要がなく、フリースペースの変化は全てAFSMTMを用いて実測、決定できるため、ブランク測定と吸着測定の間で、冷媒の液面を合わせるなどの煩雑な操作は不要となり、真密度の値を用いることで、フリースペースを決定します。これにより、ヘリウムガスを用いなくても、短い測定時間で、精度よく、測定結果を得ることができます。
1. Reference cell for measuring fluctuations within free space continously | 2. Reference cell | 3. Sample cell | 4. Liquid level 1 | 5. Liquid level 2
AFSM (He-based method)
AFSM2 (He-free method): Step 1 --> 4 --> 7 --> 8 --> 9
小型・軽量化 構成部材の最適化を図り、小型・軽量化に成功しました。
適切な前処理 正確な吸着測定を行うためには、試料の前処理が必要です。通常、加熱、真空下で前処理を行い、試料の構造に影響を与えることなく、吸着したガスや水分子を表面から除去します。Microtracでは、2つの方法をご用意しています。1つは、BELPREP VACシリーズ(別置き前処理装置)を用いる方法です。もう一方は、BELSORP MINI X の測定ポートで専用ヒーターを用いることも可能です。大気暴露を避けたい親水性の試料等に有効です。
洗練された解析ソフトウェア(BELMasterTM) 解析ソフトウェアBELMasterTMにより、吸脱着等温線の表示、Langmuir法やBET法による比表面積評価、t-plot法による各細孔容積、表面積評価、DH法やBJH法、INNES法によるメソ孔解析、DA法によるミクロ孔容積評価などが可能です。また、オプションで、分子プローブ法によるウルトラミクロ孔からの評価やGCMC/NLDFT解析によるミクロ孔からメソ・マクロ孔の細孔構造評価など、さまざまな解析結果を得ることが可能です。なお、これらの結果はワンクリックで簡単にエクセル、画像出力が可能です。
BELSORP次世代ソフトウェア”BELControl”は操作性を最優先に考え、労働生産性を向上させるための多くの機能を搭載しています。具体的には、操作アイコンを採用することで、より直感的な使用を可能としました。また、測定の実行、測定前の準備(ガスボンベの交換、マニホールドのパージ、液体吸着質の脱泡)等のいくつかの手順をステップごとにガイドしてくれます。このユーザーフレンドリーな機能により、経験の浅いユーザーでも簡単に利用できるようになっています。 経験の浅いユーザーには、試料情報、前処理条件の選択(外部で行う場合は、省略可能)、測定範囲の設定等、簡単な操作で測定可能です。 経験値が高いユーザーには、前処理条件、測定点、ガス導入量設定、平衡判断、リークチェックなど、ユーザーによる独自の詳細な設定が可能なため、測定ニーズに合わせたカスタマイズ評価が可能です。
BELCONTROL | ||
迅速BET評価 | あり | BET多点法による比表面積を20分以内で評価 |
Heガスフリー吸着等温線測定 | あり | 通常必須のHeガスを不要とした高精度吸着等温線測定 |
吸着速度評価 | オプション | 拡散係数、物質移動係数評価のための吸着速度測定 |
ガス・蒸気吸着装置に対応する様々なオプション・付属品をご用意しております。
消耗品は、試料管、ガラス棒、フィルター、Oリング、キャップ、などがあげられます。また、各種サイズの試料管、粉体飛散防止用のNSDカプセル、クイックシール、その他オプションの消耗品もご用意しています。
測定温度範囲:-10℃~70℃のウォーターバス。使用には、冷却/加熱サーキュレーターが必要です。
50℃から450℃までの試料の前処理と測定が可能です。
外部ガスセレクタにより、ヘリウム以外の4種類のガスを同時に接続することができます。
さまざまな業界での使用例:電池材料, 触媒, 薬 / 薬剤, 化粧品, 繊維,ポリマー, セラミックス, セメント, トナー, 色素, 陶磁器, 磁性剤, 分離膜 , 半導体(CMP), 吸着剤, MOF / PCP 等
アプリケーションデータベースに各種資料を掲載しております。
当社の測定器は、科学や研究における幅広い応用分野のベンチマークツールとして認められています。これは、科学出版物における広範な引用によって反映されています。以下に掲載されている記事をご自由にダウンロードし、共有してください。
測定原理 | 定容量式ガス吸着法+AFSM™(フリースペース連続測定) |
吸着ガス | N2, Ar, CO2, H2, CH4, n-Butane, iso-Butane, その他非腐食性ガス |
ガスポート | 2ポート(最大5ポート) |
測定検体数(高精度モード) | 最大4検体同時測定 高精度モード: 3検体 多検体モード: 4検体 |
測定範囲 (比表面積) | 0.01 m2/g 以上(N2、試料密度による) |
細孔径分布 | 0.7 - 500 nm, オプション: 0.35 nm ~(モレキュラープローブ法による) |
吸着等温線 | P/P0 = 10^-4 (N2 @77K, Ar @87K) |
圧力センサー | 搭載数: 合計6台(133.3 kPa F.S) |
真空計・真空ポンプ | ロータリーポンプ(etc) |
試料管 | 標準:容量約1.8cm3 オプション:容量5cm3 他 |
デュワー瓶 | 容積: 2L 保持時間: 30時間 |
前処理ヒーター | 50 - 450°C (4ポート) |
水槽 | -10 - 70°C (4 ポート) |
解析プログラム BELMaster™ | 吸脱着等温線, BET比表面積 Ⅰ型(ISO9277)BET自動解析, Langmuir比表面積, BJH, DH, CI, INNES法 |
解析プログラム BELMaster™ | tプロット法, NLDFT / GCMC(オプションソフト BELSim™), MP法, Dubinin-Astakhov法, 差吸着等温線, モレキュラープローブ法, αSプロット法 ※その他の解析ソフトは、別途ご相談ください。 |
寸法 (W x H x D) | 280 x 650 x 465 mm (真空ポンプ・コンピューターは除く) |
重量(メインユニット) | 38 kg (真空ポンプ・コンピューターは除く) |
ユーティリティ(ガス) | He、N2、吸着ガス(純度99.999%以上)レギュレータ:0.1 Mpa(G)、 継手1/8" Swagelok 排気:ロータリーポンプ排気口、 ø 11 mm |
ユーティリティ (電源) | AC 100--240 V 1000W(R.P.含む),50 / 60 Hz |
CE認証 | あり |
モニタ必要スペック | Full HD モニタ推奨 |
測定ソフトウェアは、操作性を最優先に考え、労働生産性を向上させるための多くの機能を搭載しております。直感的でユーザーフレンドリーな操作ソフトウェアにより、測定、ガスボンベの交換、液体吸着質の脱泡・精製などの主要な手順をステップ毎にガイドしてくれます。このため、経験の浅いユーザーでも安心してお使いいただけます。2種類の測定モード(シンプルモードとプロフェッショナルモード)を備えております。シンプルモードでは、試料情報、前処理条件(外部で行う場合は不要)、測定レンジを入力するだけの簡単操作測定可能です。このため、未知の試料の測定などにも適しています。また、同等の吸着挙動を示す測定結果がある場合は、GDO機能により測定時間を短縮することが可能です。プロフェッショナルモードでは、測定点、ガス導入量設定、平衡判断、リークチェックなど、ユーザー独自の条件で測定することができます。
吸着等温線は、一定温度における吸着剤への吸着量と吸着ガスの平衡圧力の関係として表されます。ガス吸着等温線(窒素やアルゴンなど)は、測定試料の比表面積、細孔径分布、細孔容積に関する情報が得られます。下記のグラフは様々な試料の吸着等温線(左図:横軸対数・右図:横軸線形)です。
比表面積は、試料のアクセス可能な表面積を指し、不均一系触媒などはその表面の反応場の量を把握することが非常に重要となります。比表面積は、BET法(Brunauer, Emmett and Teller)やLangmuir法によって算出することができます。以下のグラフは、シリカ系材料、MOF材料のBELMasterによるBET法を利用した比表面積評価の一例です。
正しい圧力範囲(BET多点法)または正しい圧力値(BET単点法)を選択すると、表面積が自動的に計算されます。さらに、当社のBELMasterでは、ミクロ孔材料に推奨されるISO 9277(別名Rouquerol-plot)に準拠したBET比表面積の評価を行うこともできます。
BELSORP MINI Xは、かつてクリプトンガスでのみ評価可能であった0.1m2程度の全表面積の試料を再現性良く測定できることが特徴です(低圧の圧力センサーや高真空排気のためのポンプの追加不要)。また、「迅速BETモード」での測定では、4つのサンプルのBET比表面積(例:3点BET)を約15分で取得することが可能です。
BELSORシリーズは、フリースペース連続測定方式(Advanced Free Space Measurement (AFSMTM ))を利用し、フリースペースのタイムリーな変化を実測することで、再現性の高い吸着等温線測定が可能です。ここでは、標準認証物質BCR-170(無孔性α-アルミナのBET比表面積の参照値:1.05 ± 0.05 m²/g (N2/77.4K))を用いて、全表面積(TSA)を約2m²から0.4m²となるように試料を秤量した際の、BET多点法による比表面積を比較したところ、再現性の高い評価結果が得られました。
迅速BETモードは、BET比表面積測定の最大化を目的に利用することができます。このモードでは、最大4検体の試料を吸着点3点で約15分で測定することが可能です(要サンプル密度)。さらに、迅速BETモードでは、2種類のフリースペース測定方法を選択できます。フリースペース入力オプションにより、測定時間を短縮化できます。一度、サンプルセルのフリースペースを決定すると、フリースペース測定ファイル(dvdファイル)は次回以降の迅速BETモードで再利用することができます。次に、フリースペースは実測により決定することも可能です。吸着等温線測定の多検体モードと迅速BETモードで得られたBET比表面積の比較を以下のグラフと表に示します。
サンプル | 吸着 | BET多点法による比表面積 [m2/g] | BET1点法による比表面積 [m2/g] | ||
高精度モード | 迅速BETモード | 高精度モード | 迅速BETモード | ||
1 | N2 | 189.9 | 190.5 | 188.1 | 190.3 |
2 | N2 | 75.7 | 77.4 | 74.7 | 75.7 |
*BET多点法による相対圧(p/p0)範囲;0.05 - 0.30, BET1点法による相対圧(p/p0); 0.20
高精度モードで測定した吸着等温線からBET多点法を利用して解析した比表面積評価の結果は、最も正確な値として考えることができます。迅速BETモードでのBET多点法およびBET1点法による比表面積評価の結果は、測定時間が3サンプルで約15分と大幅に短縮されていますが、高精度モードと比較して完全に同等の結果を得ることができます。この機能は、品質管理など、多検体評価に有効です。
NLDFT法とGCMC法による細孔径分布解析
古典的な細孔分布(PSD)として有用なINNES法(スリット形状)、BJH、DH、CI法(シリンダー形状)があり、毛細管凝縮理論に基づくメソ孔の評価が可能です。また、HK法(スリット)、SF法(シリンダー)、CY法(ケージ)は、吸着ポテンシャル理論に基づくミクロ孔の評価法として使用することができます。また、DA法、DR法も細孔構造評価として細孔容積評価によく用いられています。近年、新規な細孔分布評価法のNLDFT(Non-localized Density Functional Theory)法、GCMC(Grand Canonical Monte Carlo)法は、マイクロ孔からメソ、マクロ孔まで統一した理論で計測できるコンピュータシミュレーションによるより正確な細孔構造評価法として注目が集まっています。以下の表にISO15901-2で規定されている細孔径分布理論とその適用範囲を示します。
細孔分布解析理論 | 材料表面と吸着質の相互作用 | 吸着質 | 細孔径適用範囲 |
BJH, CI, DH, INNES法 |
ケルビン式 | 液体密度 | > 2 nm メソ~マクロ孔 |
HK, SF, CY法 | Lennard-Jones ポテンシャル | 液体密度 | 0.4 - 2 nm ミクロ孔 |
NLDFT, GCMC法 | 統計的熱力学モデル | 0.4 - 500 nm 全細孔範囲 |
*1 BELSORP MINI X は、各ポートに1000Torrセンサーが装備されており、相対圧(p/p0)1x10-4 から測定可能です。
*2 オプション: 分子プローブ法により0.35 nm から評価可能です。
同じ吸着等温線から得られる細孔径分布でも、古典的な細孔分布解析と新規細孔分布解析(新規手法同士であっても)の結果は異なります。これは、それぞれの理論から得られる細孔内に充填する吸着質の圧力値が異なるためです。Microtracは、幅広い細孔径範囲において、N2 (77.4 K), Ar (87.3 K), CO2 (298 K)などの吸着質に対し、様々な材料表面や細孔構造をカバーするカーネルを提供いたします。具体的には炭素や金属酸化物の表面原子を持つスリット形状、シリンダー形状、ケージ形状の構造に適用可能です。
BELMASTERは、実験とシミュレーションの等温線を簡単に比較することができ、両者の類似性は、正しいPSD計算の指標となります。
BJH法による細孔径分布の解析例を下記に示します。
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