コンパクト、高効率、高精度
BELSORP MR1は、多孔性材料を素早く、簡単な評価が可能な、流通式ガス吸着法を利用したBET1点法による、比表面積測定装置です。ガス吸着法に基づく、BET(Brunauer-Emmett-Teller)法による比表面積の評価は、多孔性材料において最も有用な分析手法の一つとして広く利用されています。一般に、材料の比表面積は、液体窒素温度における窒素ガスの吸着量に基づいて評価でき、ガス吸着量は、容量法(BELSORP MINI XまたはMAXシリーズ)、重量法、流通法(BELSORP MRシリーズ)などから測定可能です。
BELSORP MR1は、試料の前処理と測定を同時に行うことができる高効率、高精度なスタンドアローン型の迅速BET比表面積測定装置です。BET1点法により、材料の比表面積を評価します。熱伝導度検出器(TCD)、温度計、圧力計による高感度測定により、約15分で測定結果を得ることができます。デュワー瓶の自動昇降、キャリブレーション機能、タッチパネルによる操作など、特に経験の浅いユーザーにとって非常に使いやすい装置となっています。
測定終了と同時に解析を自動計算し、面倒な手計算をすることなく、比表面積を自動計算します。それぞれの測定結果や測定結果リストをUSBフラッシュメモリーに保存でき、テキストファイル、エクセルシート、または印刷レポート(リッチテキスト)として出力可能です
BET比表面積の評価には、通常、定容量式ガス吸着法が一般的に利用されています。一方、品質管理分野などでは、より操作が簡単で短時間に評価が可能なため、流通式ガス吸着法が用いられています。流通式ガス吸着法では、濃度既知の吸着ガス(Heガスで希釈した30 %窒素ガスなど)を供給します。試料を液体窒素で冷却すると(デュワー瓶を上昇させる)、吸着ガスが試料に吸着し、混合ガス中の吸着ガス濃度が一時的に減少すると、検出器(TCD)からの信号出力が低下(ピーク)します。吸着平衡に達すると、混合ガス中の吸着ガス濃度が元の値に戻り、TCD信号がベースラインに戻ります。この時点で冷媒による冷却をやめると(デュワーを下降)、試料から吸着ガスが脱着します。これにより、混合ガス中の吸着ガス濃度が一時的に上昇し、検出器(TCD)からの信号出力が上昇(ピーク)します。脱着が完了すると、TCDの信号はベースラインに戻ります。脱着のピークは鋭く、正確な積算値が得られることから、比表面積の算出には一般的に脱着のピークが用いられます。
消耗品は、試料管、ガラス棒、フィルター、液体ボトル〈蒸気吸着用:BELSORP MAXシリーズ〉、Oリング、キャップ、などがあげられます。また、各種サイズの試料管、粉体飛散防止用のNSDカプセル、クイックシール、その他オプションの消耗品もご用意しています。
さまざまな業界での使用例:電池材料, 触媒, 薬 / 薬剤, 化粧品, 繊維,ポリマー, セラミックス, セメント, トナー, 色素, 陶磁器, 磁性剤, 分離膜 , 半導体(CMP), 吸着剤, MOF / PCP 等
アプリケーションデータベースに各種資料を掲載しております。
当社の測定器は、科学や研究における幅広い応用分野のベンチマークツールとして認められています。これは、科学出版物における広範な引用によって反映されています。以下に掲載されている記事をご自由にダウンロードし、共有してください。
測定原理 | 流動法 (BET1点法) |
検出器 | 熱伝導度検出器(TCD) |
吸着ガス | N2 / Kr |
キャリアガス | He |
測定検体数 | 1 |
前処理温度 | 最大400°C |
測定範囲 | 0.01 m2/g 以上 |
再現性 | ±1.0% 以内 *1 |
測定時間 | 約15分(キャリブレーション含む。前処理含まず。) |
寸法 (W x H x D) | 350 x 553 x 368 mm |
重量(メインユニット) | 30 kg |
ユーティリティ (電源) | AC 100 - 120 V / AC 200 - 240 V, 400 W, 50 / 60 Hz |
CE認証 | あり |
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